糖質制限はメジャーな考え方にもなりましたが、本当に成果があがるのでしょうか?
糖分や主食の炭水化物を控えるのは、かなりつらいことなので、しっかりした意思が必要です。実は、それを比較検討した実験、「DIRECT実験」が行われました。
Direct実験とは:
約320人の被験者を、
- カロリー制限をしない糖質制限食
- カロリーを低くした低脂質食
- カロリーを低くした地中海
の3グループに分けました。
それぞれ2年間(2005年7月~2007年6月)続けた結果、
カロリー制限をしない糖質制限食のグループが
- 他の食事法よりも、体重が減る
- 中性脂肪が下がる
- 善玉コレステロールが増える
- 糖尿病が改善する
ということが得られた論文です。
この論文は医学界で最も信頼の高いThe New England Journal of Medicineという雑誌に掲載されたものです。
結果、減量の面からも健康的の面からも
糖質制限は最もダイエット効果が高い
ということが世界スタンダードになりました。
そして今では、アスリートやモデルがしており、注目度が高いダイエット方法です。その最も効果が高い理由、注目された理由には確かな根拠と、その簡単さがありました。
糖質制限のヤセるしくみ
太る原因のひとつが、食後高血糖です。食事をしたあと血糖値が急激に上がることで、インスリンが過剰に分泌され、脂肪につながります。この食後高血糖を起こすのは炭水化物や脂質でなく、糖質だけ。この糖質を抑えることで、食後高血糖が起こるのを防ぎ、太る原因をへらせます。
とくに、年齢を重ねると、血糖値が上がりやすくなり、食後高血糖が太る要因になりやすいです。そのため、「糖質制限ダイエット」は30代以降に最も効果的です。
糖質制限のうれしい効果
年齢を重ねたひとにこそ知ってもらいたい効果は2つ。
代謝量が低下しない
カロリー制限の場合、脂肪だけでなく、基礎代謝の役割をもつ筋肉や骨もへらしてしまいます。そして、ヤセてもリバウンドしやすいという結果に。筋肉や骨を減らしてしまっては、痩せたとしても美しくはありません。
糖質制限は筋肉や骨に影響しないので、代謝量が低下しません。むしろ、食後3時間後には代謝量が再び増加することが研究結果によってわかっています。糖質制限は、ヤセながら、太りにくい体づくりも叶えてくれます。
アンチエイジング効果
糖質制限は「老化」とも深い関わりがあります。いろんなものが糖質によって糖化していくと、そこで出来たものが体のいたるところに沈着していきます。この沈着によって内臓障害が起きやすくなり、内臓を覆う表面の皮膚や筋肉にも影響を及ぼしてきます。
血糖値の急速な変化は、シワやシミ、身体能力の低下など「老化」をすすませる一因です。糖質制限によって、血糖値を上げないようにすることで、アンチエイジング効果も期待できるようになります。
糖質制限の簡単なルール
満腹になって良し、間食も良し、夜遅くの食事も問題なし。
苦しいダイエットが救われる、簡単なルールを見ていきましょう。
- 1食の糖質は20~40g・1日で70~130gまでを守る
- 間食は糖質10gまで
- 糖質の多い食品は最後に食べる
- 飲み物は基本、無糖のもの
日本人の糖質摂取量の平均は、1食90~100gといわれているので、今までの半分弱にへらすイメージです。
糖質を主食・おかず、どちらから減らすかを決めましょう。例えば、主食のご飯を糖質20gほどにする場合は、だいたいお茶碗3分の1ほどになります。おかずから減らすときは、肉や魚、卵、きのこ、海藻類などを多くとるようにします。
食べる順番も大切です。血糖値を抑えるのは、食物繊維やたんぱく質、脂質などが影響するので、先に糖質以外のものを食べるようにしましょう。さらに、満腹感で糖質ある食べ物をたくさん食べないようにするという意味もあります。
そして、注意するべきは、甘いもの、甘いジュースや甘い調味料。糖質たっぷりです。砂糖類、メープルシロップ、はちみつなどは100g中、糖質40g以上あります。トマトケチャップやソースも100g中20~40g未満。調味料も計って使う必要があります。
そのほか、ゆり根やレンコンなど一部の野菜でも糖質が高かったりと、意外なものが血糖値を上げる原因になっていることも。糖質量の一覧表をもって確認してみましょう。
まとめ
糖質制限は血糖値が上がるのを抑えることで、太る要因をへらすダイエット方法です。アンチエイジング効果や、太りにくい体づくりも叶えてくれます。そして、満腹、間食、夜遅い食事も良し。ただ気をつけることは、糖質量を抑えること。なお、一部の野菜、調味料など意外なものも糖質量が多いので、糖質量の一覧が載っているものを確認してみてください。
適切な糖質コントロールで、理想の体型を手に入れましょう。